Camper 34㎜
第2世代キャンパー、復活。
アーバン・ベーシックへの回帰。
タイメックスを代表するミリタリーウォッチ「キャンパー」の第2世代モデルが復刻される。
径34mmと小粒の「第2世代キャンパー」は、持ち前のタフネスを踏襲しつつシンプル&フランクなデザインを纏った、いわばアーバナイズされたミリタリーウォッチである。
その真価は、何気ない日常のスタイリングにおいて発揮される。
キャンパーの成り立ちを振り返りつつ、スタイリングを通じて普遍の魅力を掘り下げたい。
王道オリーブから幻のブルーまで
愛すべき“チビミリ”が帰ってきた
懐かしさを覚えただろうか。それとも新鮮味を感じられただろうか。
2015年に登場した「オリジナル・キャンパー」と入れ違いになる形で、2017年に惜しまれつつも廃盤となった「第2世代キャンパー」が復刻された。
径36mmのオリジナル・キャンパーに対して、径34mmとひと回り小ぶり。セパレート型のラグや丸みのあるケースフォルムなど、同じキャンパーでありながら第2世代キャンパーは、ひと味違う個性を備える。元祖&オリジナル・キャンパーがミリタリーウォッチとしてのDNAを色濃く残しているのに対して、第2世代キャンパーは、いうなれば都会的にモディファイされたミリタリーウォッチ。耐衝撃性に優れるレジンケースの採用はそのままに、デザインの洗練によってミリタリー特有のアクの強さを抑えているのが特徴だ。世代によってはキャンパーといえば第2世代キャンパーであり、“チビミリ”の愛称で親しんだ方も多いことだろう。
ここで、キャンパーの成り立ちをおさらいしたい。
キャンパーの原型は、ベトナム戦争時に米軍の要請によって開発された「ディスポーザブル(使い捨て)ウォッチ」である。
正確な時間の把握が命を左右する戦場において、時計に精度や堅牢性が求められるのはいうまでもないが、もし故障してしまえば戦場で修理することは現実的でない。ならば、頑丈かつ実際的な部品を用いて使い捨てられる時計を作ればいいのではないか──。そんないかにもアメリカらしい合理性の下に開発されたのが、ディスポーザブルウォッチだったのである。ちなみに、配備を前にベトナム戦争が終結したため、実戦で使用されることはなかったといわれる。
戦争終結後の1980年代初頭、このディスポーザブルウォッチを基に商品化したのが手巻き式の「初代キャンパー」。そしてそのムーブメントをクォーツ化するとともに、より日常のライフスタイルに馴染みやすいようデザインを洗練したのが、1988年頃に登場した「第2世代キャンパー」であった。“頃”というアバウトさはアメリカンブランドあるあるで、初出がはっきりしないのはご容赦いただきたい。
この度の復刻では、1988年頃に登場した最定番のオリーブ、1990年初頭に誕生したブラックとともに、幻の青キャンもラインナップされている。当時欲しかったのに買えなかったという人は、ぜひこの機会に手に入れていただきたい。
研ぎ澄まされたルックスは、あらゆる日常のシーンに馴染む
ミリタリーを出自に持ちながら、特有のアクを巧みに中和した「第2世代キャンパー」は、気負いのない日常のスタイリングで真価を発揮する。モデルカットではオックスフォードBDシャツに、スウェット、カーディガン……と、極めてベーシックなカジュアルアイテムとコーディネイトしたが、埋もれることもなく、目立ちすぎることもない、ベーシック同士ゆえの抜群の好相性がわかっていただけるはずだ。
折しも時代は小径時計トレンド。これみよがしに見せつけるのでなく、さりげなく時計を着けて見せるのが粋に映るいま、復活の第2世代キャンパーは多くのファッショニスタにとってベストチョイスとなるはずだ。ファッションの性差が縮まり、ジェンダーレス性が輝きを放つ時流にも合致する。
そもそもの出自がディスポーザブルウォッチゆえイバりの効く時計ではないが、歴史や蘊蓄があってこその“わかってる”感は、何物にも変え難いだろう。
日常のあらゆるシーンに馴染み、そっと彩りを添えてくれる“いちばん身近な腕時計”として、活用していただければ幸いだ。
商品情報
Camper 34㎜
主な仕様・サイズ:34mm径
・駆動式:クォーツ
・素材:レジンケース
・防水性:3気圧防水
T41711
¥9,900(税込)
1988年頃に登場し、長年親しまれたクォーツの第2世代キャンパー
T18581
¥9,900(税込)
1990年代初頭に発売された定番のブラックの第2世代キャンパー
T2N257
¥9,900(税込)
2012年に限られた数だけが販売され、その珍しさから「幻の青キャン」と呼ばれたチビミリ
1988年ごろに元祖キャンパーの後継機としてクォーツムーブメントを搭載して登場。2017年に廃盤となるまで定番人気を博した、「第2世代キャンパー」の復刻版だ。小ぶりな34mm径をはじめ、丸みの強いマットな風合いのレジンケースや、セパレート型のナイロンベルト、カクっとした形状の時分針など、第2世代ならではの特徴が忠実に再現されている。

